NPO法人はぁとぴあ21は富山県で
不登校ひきこもり支援をしています。

Q & A

不登校についての質問
Q

息子はある日突然「もう学校へは行かない」と言ってから 3 か月が経ちました。何も説明してくれません。
無理にでも行かせた方がいいのでしょうか。担任の先生にお願いして 迎えに来てもらった方がいいのでしょうか。
何もしない息子に主人もイライラしたり、つい責めたりしてしまいます。

A

お子さんが自分から登校の意思を示さない時には無理に行かせようとしたり、先生に迎えにきてもらったりすることは返って逆効果になることがあります。

お子さんが今「行きたくない」のには理由があると思われるからです。
何も話したくない状態であれば無理に聞くことはやめて、何があってそうなっているのかを、担任の先生と連絡をとり、まず状況を把握しておかれることです。早急な対処(いじめや暴力などの) が今は必要でなければ、本人の気持ちを見守りながら無理なことは避けましょう。

学校に行かなければならないことは、お子さん自身が一番わかっていることですし、友達はみんな学校に行けているのに行けない自分に対し、罪悪感や劣等感を持ちながら辛い時間を過ごしているお子さんの気持ちを考え感じてあげることで、お子さんへの理解を深めていかれることが大切なことです。

無理をして登校したとしても心が解決していなければ再び行けない状態になったり、わかってもらえない辛さから、リストカットや家庭内暴力を起こしてしまう例があり、それは返ってお子さんを追い詰めてしまうことになりかねません。
大事に至らないためにもお子さんと心を通じ合わせ、親子の信頼関係を最優先されることが望ましいでしょう。

深刻化、長期化を防ぐためにも、お子さんを責めないことが大変重要なことと言えます。
まずは、ご家庭の温かい肯定的な見守りの中でしっかり心が休まれば少しずつ話してくれるようになり、コミュニケーションがとれるようになれば具体的な対応策が立てられるようになります。
これがご家族支援の第一歩となります。本人の意思を大切にしながら焦らず立ち直りを一緒に喜びながら一歩ずつ次の段階へ進んでいきましょう。
(回答者 NPO法人はぁとぴあ21 高和洋子理事長)

Q

最近「俺なんか生きとってもつまらん」とか「どうせ俺のこと嫌いなんやろ」と言うようになりました。
学校では 割とおとなしい方で人とぶつかるようなこともないようです。食欲もあり学校へも行きますが、したいことがあまりなく、ぼうっとしていて不安定です。
息子は精神的におかしいのでしょうか。どう考えたらいいでしょうか。

A

息子さんは揺れ動く「思春期の心」の真只中でお母さんに胸の内を吐露しているのですね。

大人への移行 期は理性と感情のバランスをとることがむずかしいこともあり、時として自分がちっぽけな存在に思え自信喪失し て落ち込んだり、反対に強がってみたり心の動揺が顕著になる時期でもあります。

今は毎日学校に行けていますし(不登校や引きこもりではない)、食欲もあり友達関係もふだん と変わらなければ精神的におかしいのではなく思春期特有の症状といえます。

「生きとってもつまらん」と思うのは人間関係の中で自信を無くすことが続いたり、認めてもらえなかったり、思い通りにいかないことが重なり、気持ちが落ち込んでつい言葉になって出たのでしょう。
落ち込むことは悪いことではなく、どんな人でも一度は経験することをまず伝えてあげて下さい。

そしてお母さんの経験談など「お母さんもそう思ったことがあったけど、今まで生きてきてよかったこともたくさんあった」ことを具体的に話してあげるといいですね。
こうしてお母さんに直接心の葛藤をぶつけてくれるのはお母さんに心を開いているからです。

自分への肯定的な意識(自己肯定感)を持つことができれば、不安や自信のなさは少しづつ減少し、お母さんとの情緒 的な交わり(喜怒哀楽を共有すること)を通して、更に親子の信頼感が強まり、それが将来の人間関係の土台になっていきます。

まず息子さんに「あなたがいてくれてどんなにうれしいか、どんなに愛しているか、どんなに大切に思っている か」ということを、心から真剣に伝えてあげて下さい。
小さい頃からの写真を見せながら一緒に振り返ることができ れば、息子さんが生まれた時の感動や喜びを語ってあげ、伝えてあげることで、自分の命の尊さや大切にされて きた日々を想い、自暴自棄になる気持ちも少し落ち着いていきます。
いくつになってもこれは親子の絆を思い起こさせてくれ、やがて誘惑に負けない勇気や困難を乗り越える力になるものです。

また「どうせ俺のこと嫌いなんやろ」と言うのは、「愛してほしい」言葉の裏返しで、不安な時ほどお母さんの愛を 求めているのです。
親に対して自分への愛が本物かどうかを試したくなる年齢でもあり、 逆の言い方をしたり、乱暴な言い方で親を困らせたりしながらも、それでも自分を「愛している、わかってくれている」ことを確信したい時期でもあります。決して責めないでくださいね。
冷静に会話できる状況を作ってから、なぜそう思うのか聞いてみてもいいでしょう。

お母さんにとっては大変な忍耐と根気が必要な時ですから、疲れないようにお父さんやご家族、先生や周りの人たちに協力を得ながら声をかけてもらったりして一緒に愛 情を注いでもらいましょう。

お母さんに胸の内を聞いてもらい、受け入れてもらえることがとても大きな力となり少しづつ意欲を取り戻せていきます。心が荒れているときはそばに寄り添っているだけでも力になるでしょう。
お母さんとの信頼関係を何度も確信していくことができれば、ポツリポツリと話してくれるようになります。
それからが、そう(生きとってもつまらん)思うようになった具体的な事柄について話し合えるようになります。

はぁとぴあ21では 思春期を「親子の絆の結び直し」と考えます。それまで温めてきた親子の絆を土台にこれからは少し進んだコミュ ニケーションが必要となりますね。
具体的な対処につきましては個々の内容に応じて一緒に取り組んでいきましょう。

「命の危険に及ぶ」こと以外は相互の話し合いで決めていくことによりお互いの理解を深めます。「自分の考えを 聞いてもらえる、意見を求められる」ことでまずは大人として受け入れられている実感がわきます。
そんな中から自然に自立心が育まれていけば親子の語らいが楽しいものになっていくでしょう。
(回答者 NPO法人はぁとぴあ21 高和洋子理事長)

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